担当者の目線で知る!新規オウンドメディア立ち上げ現場のホンネと兼業担当者のススメ
担当者の目線で知る!新規オウンドメディア立ち上げ現場のホンネと兼業担当者のススメ
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2022-05-05
5min

突然、上司から「今日から君が新しく始めるオウンドメディアの担当者だよ」と言われて、未経験にもかかわらずオウンドメディアの運用を任されたという方は多いのではないでしょうか?もしくは、専業でオウンドメディアを運用するのではなく、これまでの業務も続けながら兼任でオウンドメディア運用を任されたことはないでしょうか? オウンドメディアとこれまでのマーケティング業務、広報業務などを兼任しながら新規立ち上げに成功した株式会社ラフールの大澤直人(オオサワ ナオト)さんがどのようにして、未経験ながらオウンドメディアの立ち上げに成功したのか、さらにオウンドメディアを立ち上げた際の現場の本音と様々なノウハウを伺いました。
目次
上司や経営陣とのコミュニケーション編
未経験で兼業担当者として、オウンドメディアの新規立ち上げを担当することになった大澤さんならではの上司や経営陣とのコミュニケーション術について話を伺いました。
目標設定を高くしすぎない
ーーオウンドメディア運用が未経験でさらに兼業ということですが、立ち上げ初期の目標達成はできましたか?
はい。経営者や人事担当者さまが組織改善を進めるための参考情報をまとめた記事メディアとして始まった「lafool mindfulness」ですが、立ち上げ初期の目標は、6ヶ月後に月間30,000PVというものでしたが、実際には、想定していたよりも早く目標を達成することができました。
ーー初期の目標やその後の目標の数字設定はどのように行っていましたか?
正直、初期6ヶ月以内に達成した30,000PVという目標自体も私は12ヶ月かかってしまうのではないか?と思っていました。競合他社やオウンドメディアで成功している企業の担当者様にヒアリングをさせていただき、ターゲットや記事更新頻度などを考慮し、目標設定を行いました。例えば、自分自身としては、何月までに100,000PVいくだろうと考えても、上司や経営陣には、もう少し低く設定しておきましょう、という話をしていましたね。
ーー目標設定を高くしすぎないで、低くするというのはなぜですか?
目標設定をかなり背伸びして高くしすぎると、その分、達成しなかった時の期待値の落差が応えますよね。かつマーケティング予算をオウンドメディアに寄せていたので中長期で継続できる方法を考えていました。最悪なケースは、経営者や役員が「目標達成できないならオウンドメディアやめようか。コストもかかっているし。」という雰囲気になってしまうことなので、とにかく慎重に目標設定をしました。
ーー目標設定を高くしすぎなかったことによる、良い効果はありましたか?
ありました。一番良い効果だと感じたのは、会社全体の自社メディアに対する見方や雰囲気が良い方向に進んだことですね。やはり、会社として初めてのオウンドメディアだったので、社内の人が「おおすごいじゃん!」「おお!良いね!」と言っていただける雰囲気になったことは、私自身としてもメディア運営をする上でとても良いモチベーションになりました。また、KWによってはすぐに検索上位表示がされたので、成果が出ている感じを示せたのはよかったと思います。
これから初めてオウンドメディアを運用する担当者の方には、始める前から目標を高くしすぎないことをお勧めします。
メイン目標とサブ目標で共有する
ーー御社のオウンドメディアの最終的な目標はなんですか?
オウンドメディアを立ち上げた目的は、リード獲得をすることです。ただ、立ち上げ初期からたくさんのリードを獲得するなんてことはできないので、まずは、良いコンテンツを提供し、しっかりとユーザーが読みにきてくれるメディアを目指しました。さらに、最終的な目標は、リード獲得ですが、そこには長い道のりがあるので、マイルストーン的にメイン目標とサブ目標を設定して運用をしていました。
ーーメイン目標とサブ目標とはなんですか?
例えば、メインの目標が月間100,000PVだとしたら、達成できそうなサブ目標として、「ロングテールキーワードで上位5位までに表示される記事を〇〇本作る」とか、「ロングテールキーワードで上位5位までに表示される単語数を5個から10個にする」という小さなマイルストーンを設定していました。そうすることで、仮にメインの目標に届いていない状態だとしても、別の指標を見ると、が着実に伸びているというのが実感できます。さらに、上司や経営陣への説明の際にもこういう小さなプラスになっている指標を共有することで、オウンドメディアへの理解を得ることができていたのかなと思います。
ーーこれからオウンドメディアを担当する人に対して、どんな目標設定がお勧めですか?
経営陣が一番気にするメインの指標は、UUだったり、PVだったり、CVだったりと色々あると思いますが、それとは別に小さなサブ目標を自分自身で設定することを強くお勧めします。中長期で成果を出す施策だからこそ、小さな成功体験をコツコツ共有することは重要だと考えています。そういう指標があるだけで自分自身にとっても上司への報告の際にもプラスに作用します。
経営者の知り合いというだけで契約しない
ーーその他に今だからこそ言える、上司とのコミュニケーションで、実はこんなことに困ってたという話はありますか?
なかなか言いづらい質問ですね(笑)。あるとするならば、SEOベンダーの選定に関してですね。弊社では、これまで2社のSEOベンダー会社とお付き合いしていましたが、1社は社内からの紹介で先方ができることと、弊社でやりたいことに多少が乖離がありました。
オウンドメディアと一言にいえど、フェーズや得意領域などが各社様々なので、しっかりと自社のやりたいことと合致する企業の選定、さらに上司への説明がとても重要だなと感じました。
ーー紹介された企業が現場のニーズや状況に合ってないって、結構あるあるですよね?
そうだと思います。多分、結構多くの会社さんでもこういうことが起きていると思うんですが、こういう時にちゃんと「違います」と言える勇気を持つことが大切だと痛感しましたし、今後同じようなことが起きたら、勇気を持って「違います」と言えるようになりたいですね。(笑)
SEO専門業社ベンダーの選定とコミュニケーション編
立ち上げ初期から複数のSEOベンダーとやり取りをしていた大澤さんですが、そのSEOベンダーの選定や彼らとのコミュニケーションについて話を伺いました。
SEOテクニックではなく、自社の商材やサービス理解するSEOベンダーを選ぶ
ーー複数のSEOベンダーとやり取りをしていたと思いますが、満足のいくサービスでしたか?
そうですね。弊社は、2社とお付き合いしていました。1社目がいわゆるコンサルタイプで、「こうやったらいいよ」とか「こういうのがお勧めだよ」という感じのコンサルティングでした。正直「レールを示してくれてはいるもののリソースが足りない」というのが本音でした。しかし、先方が悪いわけではもちろんなく、社内のリソースやお互いの役割を明確に線引きする必要があったと思います。競合調査や初期の運用の土台を作っていただけたのでとても感謝しています。
2社目は、キーワード選定から記事作成まで一緒になって手を動かしていただけるタイプの会社だったのですが、自社の体制や状況にとても合う企業でした。社内にSEOの知見がある人間がいなかったので、一緒にキーワード選定を行い、SEO観点でどんな記事構成にしていくかを密にやりとりできたので、初動が成功した大きな要因でした。
ーー現場担当者として良いSEOベンダーと悪いSEOベンダーの違いを教えてください。
色々なSEOベンダーさんと話をしてみて、SEOテクニック的なお話しが中心のベンダーさんと、自社の商材やサービス、競合、市況などを考慮した上で色々な話をしていただけるSEOベンダーがいらっしゃいました。営業による差異が大きいかもしれませんが、前者のSEOテクニックのみのベンダーは、話が噛み合わないみたいなことがたくさんありましたね。
言いたいことはわかるが実際どうすれば良いか一緒に考えて欲しいというのが本音でした。(笑)。逆にまず自社への理解を深めようとしてくれるベンダーさんとはとても話がスムーズにいきました。
なので、違いとしては、一概に良い悪いとは申し上げられませんが、もちろん得意分野やオリジナルのツールなど特徴がありつつも、しっかりと相手の企業や担当者の状況を理解した上で提案をくれる企業がやりやすいなと感じます。
ーー大澤さんにとって、理想のSEOベンダー像はありますか?
各社の状況によって異なるとは思うのですが、弊社では、メディアに専属のエンジニアがいなかったので、ちょっとしたメディアの動線変更だったり、バナーの変更だったりにかなりの時間がかかってしまいました。なので、理想としては、コンテンツ作りもできて、さらにサイト内もいじって修正できるようなベンダーさんがいればすごく嬉しいですね。あとは先述した通り、相手企業や担当者の状況を理解し、併走してくれるベンダーさん、ご担当者さまだと良いなと思います。
【株式会社ラフール】経営者や人事担当者さまが組織改善を進めるための参考情報をまとめた記事メディア「lafool mindfulness」
今回、弊社のインタビュー取材に快く応じていただいた株式会社ラフールを紹介します。
株式会社ラフールとは

会社概要
会社名:株式会社ラフール
創業日:2011年11月1日
資本金:10億6,150万円(資本剰余金を含む)
事業内容:①メンタルヘルステック事業(ラフールサーベイの開発・運営) ②スリープテック事業 ③保育園事業
所在地:東京本社 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2-9-5 日進ビル7階
提供サービス
「個人が変われば、 組織が変わる」組織改善サーベイ『ラフールサーベイ』
https://survey.lafool.jp/
lafool mindfulnessとは

「lafool mindfulness」は経営者や人事担当者さまが組織改善を進めるための参考情報をまとめた記事メディアとして、2020年10月から運用を開始しました。
経営者や人事担当者さまが組織改善を進めるための参考情報をまとめた記事メディア「lafool mindfulness」
https://survey.lafool.jp/mindfulness/
大澤 直人
株式会社ラフール
社長室 大澤 直人
新卒で広告代理店に入社。PR会社を経て、外食チェーン、菓子メーカー、自動車メーカーなどのプロモーションを担当する傍ら、社内起業し、アプリの開発・運営を行う。その後、広報・PR・マーケティングを中心としたフリーランスを経て、2019年株式会社ラフールに入社。現在は社長室にて組織改善サーベイ「ラフールサーベイ」の広報・PR・ユーザーインタビュー・医療/人事専門誌での寄稿などに従事。
まとめ
本記事で得られた教訓
目標設定を高くしすぎない
まずは、慎重に目標を定めることが会社全体にも自分にも重要。
メイン目標だけでなく、自分なりのサブ目標を持つ
プラスになりやすい小さなマイルストーンを持つことが重要。
自社を深く理解しようとするベンダーを選定する
SEOの知識は皆一様に持っているので、自社の業界やサービス、顧客を深く理解してくれるベンダーを選ぶことが重要。

廣瀬 義憲
DOC株式会社 代表取締役社長 兼 omuuu編集長
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