ラフール取締役の井村さんに聞く!新規オウンドメディア立ち上げ成功の4つの秘訣とは?
ラフール取締役の井村さんに聞く!新規オウンドメディア立ち上げ成功の4つの秘訣とは?
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2023-02-04
5min

新しくオウンドメディアを立ち上げる企業はとても多く、ToC向けToB向けを問わず、毎日様々なメディアが誕生しています。しかしながら、その半数近くのオウンドメディアの立ち上げに失敗しているのも現状です。 本日は、「ラフールネスで世界を笑顔に」をミッションに掲げ、「心理的安全性」と「エンゲージメント」を可視化する組織診断ツール「ラフールサーベイ」を提供する、株式会社ラフール取締役事業部長の 井村雄大(イムラ タケヒロ)さんにマーケティングの責任者という立場で、どのようにしてオウンドメディアの立ち上げに成功したのか、その秘訣をお伺いしました。 「オウンドメディアの立ち上げを検討している」もしくは、「いますでにオウンドメディアを立ち上げている」という会社で、直接的にオウンドメディアの立ち上げ実行をするのではなく、マーケティング責任者の方としてオウンドメディアに携わる方には、必見のお話です。
目次
①新規メディアを立ち上げるために必要な上司(社長)の理解を得る方法とは
オウンドメディアを新しく始める上で、何よりも大切なのが、上司(社長)の理解を得ることですが、井村さんは、どのようにして上司(社長)の理解を得たのでしょうか?
SEOとリスティングの違いを丁寧に伝える
ーーオウンドメディアを始める上で、上司(社長)の理解を得るために何をすれば良いですか?
何よりも重要なのが、いきなりオウンドメディアの話をするのではなく、「SEOのSの字」から伝えることです。つまり、リスティング広告とSEOの違いを丁寧に伝えることが必要です。そして、自社の戦略として、リスティング広告とSEOの両輪でマーケティングをおこなっていくのが理想だけど、今のうちからSEOに着手する必要があるということを伝えるのが大切です。
ーーSEOを丁寧に伝えるとは、どういうことでしょうか?
そもそもマーケティングの手法として、「リスティング広告は、即効性が高く、すぐに成果を得れるドーピングのようなもの」であり、「SEOは、即効性は低いが、徐々に成果が見えてくる筋トレのようなもの」という違いから伝えることが重要です。
・リスティング広告 = ドーピング
(即効性が高いが、同じパフォーマンスの成果を継続するのが難しいもの)
・SEO(オウンドメディア) = 筋トレ
(即効性は低いが、徐々に成果が見えてくるもの)
ーー上司(社長)にオウンドメディアやSEOを理解してもらうためにやってはいけないことはありますか?
マーケターの多くは、マーケティングに詳しいはずですが、「その前提となるマーケ知識を上司(社長)も持っているだろう」と思って説明すると失敗します。必ず、初歩の初歩から上司(社長)に伝える努力をすることが重要です。
期間と成果を事前にしっかり決めて共有する
ーー始める前にプロジェクトの期間や成果を決める必要があると思いますが、どのように期間や成果の交渉をしましたか?
先ほどお伝えしたように、「SEOは時間がかかるもの」というのを丁寧に上司(社長)に説明しているので、あとは、「成果が着実に出せるまで6ヶ月かかる」というのを伝えました。やはりSEOは、性質上、どうしても成果が見えるまで6ヶ月程度の時間がかかるので。
そして、成果の指標としては、PV数をまずは設定しました。オウンドメディアでお問合せを獲得していきたいというのが最終的な目標ですが、最初からコンバージョンを目標にしてしまうと、良いメディアづくりができないので、初期はPV数を設定しました。
ーーとはいえ、はじめてから2ヶ月目や3ヶ月目に上司(社長)から「オウンドメディアの成果はどうなっているんだ?」と、言われたりしませんでしたか?
それは、大丈夫です。なぜなら、SEOの効果は、「比例して直線的に成果が出るのではなく、Jカーブ式に6ヶ月目以降に成果が出る」と伝えていたからです。とにかく初期6ヶ月は、数値は上がりません。6ヶ月目以降にようやく成果が見え始めるんです。ということを初期のうちから言い続けることで上司(社長)の理解を得られるはずです。
②オウンドメディア担当者の任命方法とは
マーケ責任者の井村さんの下に、オウンドメディア担当者の方がいますが、どのようなポイントでその方を任命し、日々のコミュニケーションを行ったのでしょうか?

自発性と物書きが好き
ーーオウンドメディアの立ち上げに際して担当者をどのように選定しましたか?
はじめに、オウンドメディアは、記事コンテンツが重要な要素なので、「物書きが好きか、得意か」という部分は、しっかり見ました。特に、「読むこと」が苦手な人だとオウンドメディアを成功に導くのは大変です。
そこにプラスして、自らやりたいと思って、自分から積極的に動いてくれるかというのは、見ていたポイントです。
ーー逆に、こんな人を選任するとオウンドメディアは失敗するという要素はありますか?
これは、どの仕事でもどの職種でも通ずるところだと思いますが、指示待ち人間で、言われたことしかやらず、挑戦をしない人をオウンドメディア担当に選任すると失敗します。
ーーオウンドメディア担当者に求められる社会人歴などはありますか?
オウンドメディアを担当するのに、社会人1年目でも、3年目でも5年目でも変わりません。先ほど伝えた「物書き好き」「自発性がある」という2つのポイントを持っていれば、社会人歴は関係ないです。確かに、オウンドメディアの運用経験があれば、それは良いことですが、その経験がなくても全然大丈夫です。
担当者の積極的な失敗を許容する
ーー選任した担当者とのコミュニケーションで気をつけたことはありますか?
選任した担当者は、初めてのオウンドメディアに携わる方だったので、とにかく積極的に色々なことをしてもらって、失敗しながら学んでもらうようにしました。はじめからこのやり方が正解だから「これをやれ」「あれをやれ」と言ってしまったら、担当者が成長できる機会を奪うことになるので、そういうことはしなかったです。
ーーとはいえ、いきなりオウンドメディアを任せても上手くスタートできないのではないでしょうか?
もちろん最初から全部任せるということではなく、オウンドメディアを管理する上で最初の初期設定のような、「SEO専門業者とのコミュニケーションツールの統一」だったり、「マーケティングツールの利用方法」や「数値の管理方法(エクセルを使うのか?MAツールを使うのか)」などは、最初に運用の型として用意して教えました。とにかく、最初から全てを任せるのは大変なので、最初のレールだけ作ってあげる感じですね。
③失敗しないSEO専門家の選定方法と付き合い方とは
オウンドメディアの新規立ち上げで失敗する企業に共通するのがSEO専門家の選定ミスです。井村さんはどのようにSEO専門家を選定したのでしょうか?

複数のSEO業者を試してみること
ーーSEOの専門家選びは、どのように行いましたか?
前職の弁護士事務所でもコンテンツマーケティングを実施していたので、様々なSEO業者がいることと、自分がどんな担当者と相性が良いのかというのがわかっていました。なので、最初に、SEOの専門家選びで必要なのは、複数の業者と契約してみることです。そうすることで、複数の話を比較して聞くことができるので、間違った選択をしないで済みます。
ーーと言っても、複数のSEO業者と契約すると初期コストが高くないですか?
もちろん初期費用は上がってしまいます。しかし、初期に一番やっちゃいけないのが、間違ったSEO業者の話を鵜呑みにして、成果が出ずに時間が経ってしまうことです。もちろん、契約をする前から商談をしていろいろ選定はしますが、実際に支援を受けてみて、最初の想定と違ったりするということは、往々にしてあるので、それであれば、最初にしっかりお金をかけて複数社とお付き合いしながら自社の体制を固めつつ、自社の運営体制にあったSEO業者を見極める時間を作る方が良いです。
最終的にコンサルと記事制作は、1社に統一すること
ーー口だけで手を動かさないコンサルもいれば、実行までやってくれる業者もありますが、どんなSEO業者と?
私たちのメディアは、運用をはじめてから、約2年が経ちましたが、その間に2つのタイプのSEO業者とお付き合いしました。
1つ目が、知識をくれるコンサルタイプです。彼らは主に、レポーティングやキーワード選定ほか知識部分で補ってくれる部分は多かったのですが、自社の体制には合ってない印象でした。
2つ目のタイプが、実行まで行なってくれるタイプです。キーワードの提案だけではなく、記事の構成や細かな部分までしっかりやってくれているのがとてもよかったです。そして、この2つ目のタイプのSEO業者とは、お付き合いを続けています。
どちらが良いかというのは自社のレベルにもよってくると思いますが、現場の意見を優先して手離れ良くできるほうで進めました。
ーーWEBコンサルティングと記事作成は、統一した方が良いのですか?
はい。最初は、複数社を試しながら、最終的には、彼らが出してくるアウトプットをしっかり見極めて、1つのSEO業者にコンサルと記事作成を統一することが重要です。
よく、コンサルティングは〇〇〇社で、記事は×××社にお願いしているという運営体制の会社がありますが、これだと、業者間の齟齬や自社の担当者の齟齬が生まれてしまい上手くいかないだろうと思っています。
④オウンドメディアを始めるマーケ責任者に必要なスキルや経験
最後に、オウンドメディアを始めるマーケ責任者はどんなスキルや経験が必要なのでしょうか?
SEOの本質を誰よりも理解すること
ーーオウンドメディアを始めようとしているマーケ責任者に必要な知識はなんですか?
オウンドメディアの日々の細かい専門用語や知識を身に付けるよりも何よりも大事になるのは、「SEOの仕組み」と「リスティング広告の仕組み」を徹底的に理解し、違いを自分の言葉で伝えられる能力ですね。これは、前述の上司(社長)の理解を得るという部分で活きてくるポイントですが、まずはじめに「SEO」を理解することが重要です。
中長期的な視点で数値を見る力
ーーオウンドメディアを始めようとしているマーケ責任者に必要な考え方はなんですか?
リスティング広告とは違うので、SEOを始める上で大事なのが、短期的な視点で数字を追わず、中長期的な視点で数字を見るということです。毎日、PV数が「増えた!」「減った!」と見るのではなく、中長期的な観点で毎日で見ると数字の上下はあるが、広い視点で右肩上がりに伸びているのか?ということをしっかり見る能力が必要ですね。
【株式会社ラフール】働く人のキモチとカラダをサポート「mindfulness」
今回、弊社のインタビュー取材に快く応じていただいた株式会社ラフールを紹介します。
株式会社ラフールとは

会社概要
会社名:株式会社ラフール
創業日:2011年11月1日
資本金:19億5,200万円(資本剰余金を含む)
事業内容:①メンタルヘルステック事業 ②スリープテック事業 ③保育園事業
所在地:東京本社 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2-9-5 日進ビル7階
提供サービス
「心理的安全性」と「エンゲージメント」を可視化する組織診断ツール ラフールサーベイ
https://survey.lafool.jp/
mindfulnessとは

「mindfulness」は、「働く人のキモチとカラダをサポートする」というコンセプトのもと2020年10月から運用を開始しました。
働く人のキモチとカラダをサポート「mindfulness」
https://survey.lafool.jp/mindfulness/
取締役 事業部長 井村雄大
株式会社ラフール取締役兼G-Spec合同会社代表
井村 雄大(イムラ タケヒロ)
1975年生まれ。徳島県出身。徳島大学卒業後。大手鉄鋼会社のSEから経営企画部を経て、電子マネー提供企業でIPO担当して従事、上場を経験。その後は、経営企画や事業企画の担当責任者として従事し、既存サービスの拡大や新サービス開発など各種プロジェクトを推進。法律事務所にて、管理部長を経てCOOを歴任。現在は、株式会社ラフールにて事業部管掌取締役として主にプロダクト展開やアライアンスを推進。また自身でもベンチャー企業向けコンサルティングとしてG-Spec合同会社にて数々の企業の顧問として活動。
まとめ
本記事で得られた教訓
経営者や役員に対してSEOとリスティングの違いを丁寧に伝える
「これくらい知ってるだろう」という考えを捨て、SEOのSの字から丁寧に伝えることが大切。
担当者には積極性を求め、失敗を許容する
担当者の自発性と積極性を活かし、失敗を許容する組織づくりをすることが大切。
SEOベンダーは、初期は複数、最終的には1社に統一する
最初から1社にたくさんお金をかけるのではなく、分散的に自社に合うベンダーを見極めることが大切。
マーケ責任者は、SEOの本質を誰よりも理解する
SEOの細かなテクニックよりも、マーケティング手法の1つであるSEOの本質を理解することが大切。

廣瀬 義憲
DOC株式会社 代表取締役社長 兼 omuuu編集長
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